部品取りとは?その方法と注意点を紹介
部品取りとは、乗らなくなった車や故障した車から、まだ使えるパーツを取り外して修理やカスタムに再利用することです。この方法を使えば、修理費用を抑えられ、部品を無駄なく活用できます。この記事では、車検切れの車や事故車を含め、部品取りをする時の注意点やメリットをわかりやすく紹介します。
目次
部品取りとは?基本的な意味と目的
部品取りとは、事故や故障、車検切れなどで使われなくなった車両から、再利用可能なパーツだけを取り外して活用する方法です。ここでは、部品取りの基礎知識や目的などを解説します。
部品取りの定義
部品取りとは、通常は廃棄処分となる車から、まだ十分に動作する部品を取り外し、再利用することを言います。エンジンや電装系など、比較的状態の良いパーツを自分の車に移植して、修理コストを抑えるといった使い方が基本です。
ただし、すべての部品が自由に取り外せるわけではありません。例えば、エンジンやフレームなどの一部主要部品の取り外しについては、各種法令に基づいて「解体行為」と判断される場合があります。その際は、解体業の許可が必要になるため個人で自由な取り外しはできません。
また、取り外した後の車体や不要な部品を適切に処理しなかった場合、廃棄物処理法に基づき不法投棄と見なされる可能性があるため、適切に対応しましょう。
さらに、業者に車両を引き渡した後に無断で部品を取り出す行為については、契約内容や所有権の関係により、器物損壊と判断される恐れがあるため、各事例に応じた法的判断が求められます。
主な部品取りの活用例は以下の通りです。
・自分の車の修理用パーツを安価に入手する
・製造中止になったモデルを修復するための部品を確保する
・カスタムやチューニング目的で他車種の部品を流用する
・事故車や不動車の再利用価値を高める
部品取りのメリット
部品取りには、以下の3つのメリットがあります。
費用の削減
新品のパーツはどうしても値段がかかりますが、中古の部品を利用すれば、修理やカスタムにかかる費用を大幅に節約できます。特に、ディーラーやメーカーから純正部品を入手するよりも低コストで済むため、経済的なメリットが大きいでしょう。
希少なパーツを入手できる
古い車や生産終了モデルでは、新品のパーツが手に入りにくく、維持が難しくなる場合があります。そんな時、部品取りを活用することで、市場で見つけにくい貴重な部品を確保できるケースがあるため、長く車を使い続けることができます。
環境負荷の軽減につながる
まだ使える部品を再利用することで、不要な廃棄物の発生を防ぎ、環境への負担を軽減できます。車全体を廃棄すると大量のゴミが出るのに対し、部品取りを通じて資源を有効活用する方法は、環境にやさしい選択肢です。
部品取り車とは?市場の動向と活用方法
部品取り車とは、事故や故障などで走行できなくなった車両から、再利用できる部品を取り外して、修理やカスタムに活用するための車です。市場には一定の需要があり、オークションや専門業者、個人売買を通じて取引されています。ここでは、部品取り車の基本的な意味と、市場の動向、具体的な活用方法を紹介します。
部品取り車とは?
部品取り車とは、事故や故障によって走行が困難になったり、経済的・法令上の理由から中古車市場での再販売が見込めなくなったりした車両のことです。走行できない状態であっても、エンジンや電装系、足回りなど、まだ動作する部品が残っていれば、それらのパーツは修理やメンテナンス、さらにはカスタムなどの目的で再利用される場合があります。
例えば、製造終了により新品パーツが入手困難な古い車種の場合、部品取り車から取り出した部品が修理に役立ち、外見が大きく損傷していても内部の機能部品に需要があります。
市場の動向
近年、部品取り車には一定の需要があります。車の電動化や自動運転技術の発展によって、従来のガソリン車やディーゼル車用の部品需要は徐々に減少していますが、古い車を長期間使いたい人や、希少な旧車の修理を希望する人が部品取り車を利用しています。
特に、ガソリン車の新車販売が減少すると予想されているため、これからも内燃機関の車を維持したいユーザーにとっては、部品取り車が重要なパーツの調達元になります。今後は、古い車や生産終了車を維持するための部品取り車の需要がさらに高まるでしょう。
部品取り車の活用方法
部品取り車は、目的に応じてさまざまな使い方ができます。例えば、自分の車を修理する際に必要なパーツだけを取り外して活用すれば、新品部品を買うよりも費用を抑えられる場合があります。同じ車種の部品がまとめて手に入るため、急なトラブルにも対応しやすくなるでしょう。
また、希少車や旧車を大切に乗り続けたい人にとっては、レストア用の部品を確保する手段としても有効です。すでにメーカーから供給されていない部品を探すのは難しく、見つかっても高額になるケースもあるため、部品取り車をまるごと入手しておくことで長期的なメンテナンスにも備えられます。
さらに、取り外した部品の中で自分には不要なものがあれば、フリマアプリやネットオークションを通じて売却することもできます。人気の高い部品や使用できる状態の良いパーツであれば、思わぬ価格で取引されることもあり、車両の購入費用の一部を回収できるかもしれません。
ただし、走行できない車を購入する際には、レッカーによる運搬費用や名義変更手続きなどが必要になるため注意が必要です。購入前にこれらの手続きや費用を確認しておき、無駄な出費を避けましょう。
部品取りの法律と注意点
部品取りには法律で定められた決まりがあります。正しい手順を守らないと違法行為となり、重い罰則が科せられる可能性があります。
無許可での解体や部品の不適切な処分は、「自動車の再資源化等に関する法律」(通称:自動車リサイクル法)や「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(通称:廃棄物処理法)に抵触してしまうかもしれません。
以下では、各法律の目的、対象、具体的な規定内容や罰則について詳しく説明します。
個人での部品取りは違法になる?
個人が廃車から勝手に部品を取り外す行為は、以下の法律に基づき違法となります。各法律は、適正なリサイクルと環境保護を目的としており、無許可で解体行為を行うことを厳しく禁じているものです。
1. 自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)
自動車リサイクル法は、2005年1月から施行され、使用済自動車に含まれる有用な資源を効率的に再利用することを目的としています。この法律では、車両の解体行為(部品取りを含む)は、都道府県知事や保健所設置市長から解体業の許可を受けた業者のみが行うことが認められています。
・目的:自動車に含まれる金属、プラスチック、フロン類、エアバッグなどの有害物質を適正に処理し、再資源化を促進することで環境保護を図る。
・対象:使用済自動車、つまり一時抹消登録や廃車処分が決定された車両。
・違反罰則:無許可で解体行為を行った場合、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。この罰則は、車両の解体に必要な許可を取得せずに行動することが、リサイクルシステム全体の信頼性を損ねることを防止するためです。
2. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)
廃棄物処理法は、廃棄物の適正な分別、収集、保管、処分を定めた法律です。使用済自動車やその部品は、法律上「廃棄物」として取り扱われるため、個人が無許可でこれらの部品を持ち帰り、適切な処分を行わなかった場合に問題になるでしょう。
・目的:廃棄物が適切に処理されることで、環境への悪影響を防ぎ、公共衛生を保護する。
・対象:使用済自動車から取り出された部品や、解体によって発生する廃棄物全般。
・違反罰則:廃棄物処理法に違反した場合、5年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金が科せられるリスクがあります。これは、無許可で廃棄物の処理や運搬を行った場合の厳格な規定に基づいています。
さらに、既に廃車業者に引き渡した車両から、所有者が無断で部品を取り出す行為は、「刑法」に基づく器物損壊罪に該当する可能性があります。違反が認定されれば、通常、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるため、引き渡し後は必ず業者に対応を任せるようにしましょう。
個人で取り外しても問題ないパーツ
後付けで装着したオプションパーツや、車両の走行性・安全性に直接影響しない部品は、個人が取り外すことが認められています。これらの部品は、元々車の本体に備わっていたものではなく、後から付け加えたものであるため、法律上「解体行為」とはみなされません。
・カーナビ
・オーディオ・スピーカー
・ドライブレコーダー
・ETC車載器
・シートカバー
・フロアマット
・ルームミラー
・サンシェード
・盗難防止装置
個人で取り外してはいけないパーツ
車の走行や安全性に直接関与し、車検基準に組み込まれている部品は、無許可で取り外すことができません。これらの部品は、取り外すことで車としての基本性能が損なわれ、法律違反となるため、必ず専門の解体業者に依頼する必要があります。
・エンジン系・ミッション系・走行系:エンジン、ミッション、ドライブシャフト、デフ、マフラーなど
・電装系:セルモーター、オルタネーター、スピードメーターなど
・懸架系:サスペンション、ロアアームなど
・外装・内装系:バンパー、ドア、ライト、ガラス、ミラー、シート
・エアバッグ関連:エアバッグ装置やエアバッグ内蔵のハンドルなど
これらの部品を無断で取り外すと、前述の法律に抵触し、重い罰則が科せられるため、絶対に取り外さないように注意しましょう。
部品取りを活用した修理・カスタムのコツ
部品取りで修理やカスタムをする場合は、安全性や部品の適合に注意が必要です。特にエンジンやブレーキといった車の重要な部分を交換するときは、専門家に相談すると安全に配慮して進めてくれます。
部品取りを活かした修理のポイント
部品取りで修理を進める際、最初にチェックしておきたいのは「使いたい部品が自分の車に合っているかどうか」です。例えば部品の年式や車種が違う場合、取り付け後に走りづらくなったり、故障につながったりする可能性があります。失敗を防ぐためにも、適合確認は欠かさずに行いましょう。
また、中古部品を選ぶときには「状態のチェック」も大切です。摩耗していたり、動作が不安定だったりする部品をそのまま使うと、運転中にトラブルを起こすリスクが高まります。特にブレーキやサスペンションなど、安全に直結するパーツの場合は、プロの整備士に状態をチェックしてもらうと良いでしょう。
さらに、エンジンやブレーキ系統といった重要部品の取り付けは、専門知識がないと事故の原因になります。部品がきちんと適合していなければ、ブレーキが効きにくくなったり、車の安定性が損なわれたりするためです。加えて、サスペンションが柔らかすぎると高速走行時の安定感が落ちてしまうでしょう。
こうしたトラブルを避けるためにも、部品の適合性や状態を丁寧に確認することが大切です。少しでも不安な点があれば、専門家に相談して安全に修理を進めてもらいましょう。
カスタム目的での部品取り活用
部品取りは、カスタムにも役立ちます。特に旧車や珍しいモデルをカスタムする場合、市場で見つからない純正パーツを比較的安く手に入れることができるでしょう。
また、他のモデルのパーツを流用すれば、自分の車の性能を高められます。例えば、同じメーカーの上位グレード車の部品を使えば、ブレーキ性能や乗り心地の向上が見込めます。エンジン周りのパーツを交換すればパワーアップにつながりますし、エアロパーツを変更すれば見た目や空気抵抗を改善することもできます。
ただし、パーツを流用する際には、車の構造や安全基準に合っていることを必ず確認しましょう。合わない部品を取り付けると安全性が下がってしまいます。さらに、保安基準や騒音・排ガス規制などの法律を守ることも大切です。
部品取り車の適切な処分方法
部品取りが終わった車両は、適切な方法で処分する必要があります。勝手に解体したり、放置したりすると法律違反になる可能性があるため、以下の方法で処理しましょう。
・解体業者に依頼する(解体業者に依頼をすることで買い取ってもらえる可能性も)
・廃車買取業者を利用する(まだ使えるパーツがあれば、その価値に応じて買い取ってもらえる場合がある)
・自治体のルールに従って処分する(粗大ごみとして処理できるか、自治体ごとの決まりを確認する)
また、ナンバープレートの返納や廃車手続きなどの書類処理も忘れずに行いましょう。手続きをしないまま放置すると、不法投棄と判断される場合もあるため注意が必要です。
部品取りは計画的に行いましょう
部品取りは修理やカスタム、レストアなど、さまざまな目的で役立つ方法です。ただし、法律に違反するとトラブルの原因になるため注意が必要です。
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